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院長のコラム

  • 2022,10,09

    チームスポーツの中で、最も人数の多いものは

     皆さん、この答えが分かりますか?

    それは、ラグビーです。その理由は結構深い理由があるようなのです。

    元京大総長でゴリラ研究の第一人者である山極寿一さんの説明が、妙に私は納得できたので、ここで紹介させていただこうと思います。   では以下に山極先生の説明を掲載いたしますね

    ラグビーチームの人数が15人である理由

    人間は、進化の歴史を通じ、一貫して付き合う仲間の数を増やしてきました。

    これは、人間の祖先が熱帯雨林からサバンナという危険な場所へ進出したこととが関係しています。長い歴史のある時点において、おそらく地球規模の寒冷・乾燥化が起こり、それによって熱帯雨林が分断され、そこで暮らしていた動物たちはサバンナに出て行くか、森が残る山に登るか、低地に散在する熱帯雨林に残るかの選択を迫られたのでしょう。結果的に人間は熱帯雨林を出ました。

     そこで、いくつかの特徴を発達させたのです。その一つが集団の大きさです。危険な場所では、集団の規模は大きい方が有利です。実際、森林ゾウとサバンナゾウでは、サバンナゾウの方が、身体も大きく、集団規模も大きい。人間も、危険から自分の命、そして仲間の命を守るために、集団の規模を大きくしなければなりませんでした。

     ただし、集団を大きくすると、食物や安全な休息場所をめぐってトラブルが増えます。中の性質や、自分との関係をきちんと頭に入れておかないと上手く対処できなくなります。そのためには脳を大きくする必要がありました。皆さんの中には、人間の脳は、言葉を使い始めたことで大きくなったと思っている人がいるかもしれませんが、人間が言葉を話し始めたのは7万年ほご前にすぎません。一方、脳が大きくなり始めたのは、それよりずっと前の約200万年前にさかのぼります。言葉を使ったから脳が大きくなったのではないのです。

     人間の脳の大きさは、実は集団規模が関係しています。チンパンジーとの共通祖先から分かれた約700万年前から長らくの間、人間の脳は小さいままでした。このころの集団サイズは10~20人くらいと推測されます。これはゴリラの平均的な集団サイズと同じです。言葉ではなく、身体の同調だけで、まるで一つの生き物のように動ける集団の大きさといえます。サッカーが11人、ラグビーが15人など、スポーツのチームを考えるとわかりやすいでしょう。これは皆さんが、お互いに信頼し合っておしゃべりする友達の数❶に当たります。200万年前、脳が大きくなり始めた頃の集団サイズの推定値は30~50人程度。ちょうど先生一人でまとめられる一クラスの人数ですね。日常的に顔を合わせて暮らす仲間の数、誰かが何かを提案したら分裂せずにまとまって動ける集団の数です。

     その後、人間の脳は急速に発達します。今から約60万~40万年前には、ゴリラの3倍程度の1400ccに達し、現代人の脳の大きさになりました。そして、この大きさの脳に見合った集団サイズが、100~150人。これが❷に当たる数です。4

    ❶ 日常的におしゃべりする友達は何人ぐらいいますか?

    ❷ 年賀状やSNS、メールで年始の挨拶を発信しようと思うとき、リストに頼らず、頭に

    浮かぶ人は何人くらいいますか?