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院長のコラム

  • 2022,09,26

    山中伸弥先生の言葉から

    昨日、「友情」という本を読みました。この本は、ラグビー界の宝であった平尾誠二さんと、ノーベル賞受賞者の山中伸弥さんとの友情を描いたもので、サブタイトルは 平尾誠二と山中伸弥「最後の1年」です。 

    平尾さんと山中先生が、「週刊現代」の対談をきっかけに友情をはぐくみ、平尾さんががんと闘った1年間を克明につづった本でした。

    その中で、お二人の対談を掲載しているページがあり、「技術革新と倫理観」の項目の「常識を疑う力」のところの山中先生の言葉に真理を見つけた気持ちがしましたので、以下に原文のまま引用させていただきます

    医学って、人の体や病気について解明できていないことがまだまだ多いんです。これだけ医学が進歩しても、僕らに見えているのは氷山の一角と同じで、実はその下に、人間の体はものすごい能力を秘めているかもしれない。僕ら研究者や医学者は、いろいろな治療をした時の患者さんの反応をありのままに認めないと、隠れた部分がいつまでたっても見えてこないんじゃないかと思うんです。
    「研究者には才能のある人、ない人っているんですか」と訊かれることがありますけれど、あるとしたら、どれだけ実験するか、実験の結果をいかに謙虚に受けとめられるか、っていうことじゃないですかね。
     たとえばその方のように、足つぼのマッサージでALS (筋萎縮性側索硬化症)の進行が止まった患者さんがいる。それを「科学的にあり得ない」と思ってしまったら、もう、そこまでですよね。本当に足つぼマッサージが効いたのかどうかわからないですけれど、事実としてそういう人がいるのなら、それはそれで真摯に受け止めて検証するような実験をしてゆくのが、研究者としての才能かもしれない。 「常識を疑う力」といえばいいでしょうかね。
     人間のすべてを百としたら、僕らが知っているのは多分、よく言って十ぐらいです。あとの九十はわからない。ある治療法について、「これで病気が治るわけがない。そんなのは絶対に無理や」と決めつけられるほど、わかっていないんです。
     だって、ipPS細胞ができたこと自体が、普通での考えやったら「絶対無理や」と言われていたことですからね。それができましたから。まだまだ人間にはいろんな可能性があるということですよ。